柘製作所では「職方商人」という言葉がよく使われます。これは創業者、柘恭一郎の座右の銘で「職人は商人の精神を持ってもの造りを行い、商人は職人の精神を持ち商いを行え」ということ。この精神で仕事に当たることが、付加価値のある製品を世に送り出すことになると恭一郎は考えました。
『イケバナ』に代表される弊社のフリーハンドパイプは、お陰様で世界から高い評価を頂いています。それは、日々工房で汗を流す職方達の技術の結晶であるとともに、パイプを愛する心がフォルムとなって表れているからです。柘製作所の職方は、単にパイプ技工の伝統を守るだけでなく、次代のパイプスモーカーに夢をもって使って頂けるような完成度の高い仕事を常に心がけています。
そして、商人の役を引き受ける営業部員達も喫煙道具としてのパイプに精通していなければなりません。弊社に入社した新人社員は、必ずものつくりの現場に身を置き職方を経験することが条件になっています。そこで得た知識と精神を自らの血肉としたうえで自社製品の販売に当たります。作り手と売り手の間に垣根のない職場環境が『職方商人』たる営業員が生まれてくると確信しています。
柘家の家紋は「丸に剣方喰」。裏家紋は「丸に三引き」。裏家紋の外側の丸は人間界宇宙すべてを包括する意味があり、中の三本線は、過去、現在、未来を表しています。中央の線は現在の柘製作所。下の線は過去の柘製作所を支えてくれた社員とお客様。上の線は先々(未来)の弊社でありお客様。という意味があります。現在ある柘製作所は今まで支えていただいた人々に感謝し、将来に事業を続けていく責務がある。と父 恭一郎に言われ、その教えを胸に仕事に取り組んでいます。
会長 柘 恭三郎