パイプたばこの基礎知識
パイプたばこに使われる葉は、種類も刻み方(カット)も多種多彩。
刻みは、パイプ喫煙の重要なポイントである「香味と喫味の持続」と「順調な燃焼性」が得られるよう、製品ごとに考慮して作られている。
パイプたばこには、刻みが同じ形状のものだけの製品もあれば、異なる形状を混ぜ合わせた製品もある。
細刻みのたばこは燃焼が速く、ブロードカットのような粗い刻みは燃焼性が良いと思われがちだが、葉の厚さ、保湿の具合、オイル分の有無、製造方法の違い、パイプの構造の違い、火皿への詰め具合によって燃焼速度は変わってくる。また、葉のブレンド加減によっても違いがでる。
しかし、製品化されているパイプたばこは、味や燃焼性を考えて作られているので、あまり神経質に考えることはない。
また、缶やポーチに入ったパイプたばこの葉も様々。
フレイク状や細長いリボン状の葉は火皿にそのまま詰めて喫煙できる。一方で、ロープ状、板状、サイコロ状、ブロック状の葉は、詰める前に切り刻んだり、揉みほぐしたり、ブロックをばらしたり、ひと手間かけてスモーキングを楽しむ。
パイプたばこを購入するときは、風味はもちろんのこと、その形状まで把握して、自分の好みに合うものを選びたい。
刻み(カット)や形状の種類
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- 1.コースカット
- ブロードカットもコースカットの範疇になる。不規則で粗々しい刻みが特徴。1970年代以前はラフカットと呼ばれていた。
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- 2.リボンカット
- 幅が2~3mmで、長さが2~3cm程度の細いリボン状になっている刻み方。バージニアやキャヴェンディッシュで見られるカット。
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- 3.グラニュレイテッドカット
- 刻みが、細かい四角形の状態になってる。
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- 4.ブロークンフレイク
- フレイクをある程度ばらして、ポーチや缶に詰められる。喫煙する時には、フレイクの状態のままで残っているものや、バラバラになっているたばこをバランスよく取り、よく揉みほぐしてから火皿に詰める。
- 5.フレイク
- 葉たばこを板状に強圧した状態をケーキという。フレイクは、そのケーキをブロックに切り、さらに厚さ2mm、幅3~4cm、長さ5~8cm程度に薄くスライスした板状のたばこ。1枚が2.5g位で、小さめのパイプは1枚、ミディアムボウルは1.5~2枚、ラージボウルやジャイアンツなどは3~4枚が適量。火皿に詰める前には、よく揉みほぐすこと。そのまま縦方向に詰めて喫煙するベテランスモーカーもいるが、その場合は火皿の口径が細いトッパー気味のパイプを使いたい。また“READY RUBBED”(レディーラブド)と表記されている製品には、既に揉みほぐされた葉が入っているが、より美味しく味わうために、さらに自分で揉みほぐしてからパイプに詰めることをおすすめする。
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- 6.ペブルカット
- 長さが12~3cmほどのフレイク。見た目が砂利を敷き詰めた細い道に似ているので、“ペブル”(砂利道)と呼ばれるようになった。1回分の適当な長さにちぎり、よく揉みほぐしてからパイプに詰める。
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- 7.キューブカット
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たばこは、バーレーで一辺2~3mmのサイコロ状になっている。加香製品によく使われるカット。香りの持続性がいい。
※キューブカットの喫煙方法は151ページを参照。
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- 8.クランブルケーキ
- ブロック状にカットしたたばこ。コースカット状のたばこを加圧しブロック状に形成している。喫煙する時は、ブロックの角からボロボロと崩すようにばらして火皿に詰める。
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- 9.シャグ(ファインカット)
- 手巻き用シガレットのたばことして作られた刻みだが、パイプ喫煙も充分に楽しめる。使用するパイプは、クレーパイプなど火皿の小さいボウルが適している。
- ロングカット
- リボンカットやファインカットのたばこで、刻みの長さが長いものをロングカットという。