横澤彪さんとの思い出。平成23年1月8日逝去
フジテレビの名物プロデューサーであった横澤さんとは、1970年代初頭お世話になったことがある。シルバーアクセサリーのデザイナーがデザインをしたループタイの製作依頼を受けたのが始まりであった。
当時、省エネルックの大流行でループタイが売れた時期がなりました。その時、横澤さんは知人のアクセサリーのデザイナーにデザインを頼み、柘製作所のブライヤーの仕事のコラボを考えた。今では「コラボ」等という言葉で企業間の交流から製品作りは普通だが、当時は一般的考え方ではなかった。モノ作りの企画の段階から売り場の実演の演出まで考えての提案だった。
製品は、シルバーとブライヤーを組み合わせてループタイとブローチを作ろう、ということになった。型代は横澤さんが出して製品を作ることになった。作品は、925シルバーを使って土台と装飾を施し、その表面にブライヤーが嵌め込まれたものだった。横澤さんはブライヤーにも詳しく、必ずストレイトグレインの木目の材料を使い、柘製作所のハンドメイドパイプのように木目を際立させるようにとのことだった。
製品は男性用ループタイと女性用ブローチ。その製品の売り場は銀座の伊東屋さん。初回の注文分はすぐ売れて2回目の注文も頂いた。
モノつくりのプロデューサーとして、先験的な人だった。しかし、発売後すぐにテレビの仕事が大ヒットしたせいか、モノつくりのプロデュースには時間が取れなかったのだろう。残念なことにこの仕事だけで、横澤さんとのつながりは無くなってしまった。後日、「俺たちひょうきん族」で神父さんの格好をして出てきた時には驚かされた。
もし、我々の仕事の中で生きていたとすれば、新製品のヒットを飛ばしていたのだろう。
合掌
この作品は女性用のブローチです。925シルバーにブライヤー。