パイプ用語
ブライヤー
Briar
ツツジ科の潅木、学名エリカ・アルボレアの根隗。 5月に小さな花が咲く。 地中海沿岸,標高500mから1,000mの山に生育している潅木の根隗。 パイプの材料として使われ始めたのは1850年ごろからであった。 主に夏季に根隗を掘り出し、倉庫に入れられて水分を時折噴霧させ、湿度を与えながら乾かす。 最低でも数ヵ月乾燥させてから、根隗に付着している泥や小石を取り除く作業をして、丸ノコでカットする。 平均3kgのブライヤーの根隗は、パイプ用の材料として目的にあった大きさに切り分けられる。 一番大きいのはデミリュンヌ(DEMI LUNEー半分の月)根隗を半分した形をしている。 2番目に大きいのは、プラトウ(PLATEAUXー高原)と呼ばれ,ブライヤー根隗の表面の凹凸が残っているもの。 次が一般的なパイプを作る材料の大きさになるエボーション(EBAUCHONー下地)となる。 そのエボーションは直(例:ビリアード)用の材料はマルセイエーズ(MARSEILLAISE-マルセイユ人)と呼ばれ、曲り用の材料はルルベ(RELEVEES-フランスの古語で午後)、小ぶりのパイプ用にCMFというクラスに切り分けられる。 オームポール用のポンピアー(POMPIERー仰々しい)。 シガレットホルダー用はティジェ(TIGEー茎や幹)、カレー(Carre)等に切り分けられる。 切り分けられた各々の素材は、6時間から12時間銅製の大鍋の中で煮込まれる。 煮込むことによって、ブライヤーの樹液を取り除いたり、ブライヤー内部の湿度を低減をさせる。 また、ブライヤー内部は、タンニンの作用で美しい薄茶色に変化する。 煮込んだ後は、作業場内に木製のパレットに乗せられ、長期乾燥される。 乾燥した材料は、グレイド別に選別される。 最上級はエクストラ・エクストラ、次にエクストラ、プレミア(First)、ドゥージエム(Second)、トワジエム(Third)の4段階か5段階に分けられる。 選別された材料は、サイズ別に麻のバックに入れられ倉庫に保管する。