パイプの基礎知識
パイプのシェイプは千差万別。しかし、基本的シェイプは19世紀から20世紀初頭で確立された。
それを「クラシックシェイプ」と呼んでいる。機械加工が可能なシンメトリックが条件であるところから出発。
19世紀中に、ビリアード、ベント、ブルドッグ、ダブリンが出来、1930年代には全てが出揃う。
シェイプ名は同じでもメーカーによってそのフォルムは違う。これがまたコレクターにとって面白みのあるところ。
ビリアード BILLIARD |
ブランデーグラス BRANDY GLASS |
ポット POT |
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パネル PANEL |
ベルジック BELGIQUE |
ブルドッグ BULLDOG |
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プリンス PRINCE |
ローデシアンベント RHODESIAN BENT |
リバプール LIVERPOOL |
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スクワットブルドッグ SQUAT-BULLDOG |
ロバット LOVAT |
ベントアップル BENT APPLE |
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チムニー CHIMNEY |
カナディアン CANADIAN |
アップル APPLE |
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ズル ZULU |
ベント BENT |
ダブリン DUBLIN |
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ブルカップ BULLCAP |
ポーカー POKER |
ブルムース BULLMOOSE |
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オームポール OOM-PAUL |
チャーチワーデン CHURCHWARDEN |
パイプの喫煙方法
すぐに火が消えてしまう。舌が痛くなる。パイプスモーキングは苦痛で、理屈どおりにいかないという嘆きも聞かれる。
思い通りのパイプスモーキングは、愉しみながらそこに至る長い道のりを経験することで、独自の喫煙方法が完成されるもの。
以下、至福の一服を愉しむための手引き。
たばこを詰める
たばこの詰め方は諸説あるが、大切なのは通気の具合を最適にすること。 硬く詰めすぎると酸素の供給量が悪く、たばこの燃焼率を弱め、その喫味を損なう原因となる。
- 1.層を重ねるようにたばこを詰める
- よくもみほぐしたたばこを3~4回に分け、ボウル容量の 80%を目安に詰める。喫煙中に何回となくタンパーでたばこを押さえるために、下層ほど圧縮されることを考慮し、最初は柔らかく、段々に硬詰める。
- 2.詰めたたばこの感触や空気の流入等をチェック
- 1.の詰め方で喫煙の具合を確かめた後、次回たばこを詰める際の参考にするとよい。
スモーキング前のウォーミングアップ
パイプスモーキングに入る前の準備。
- 1.たばこ表面に満遍なく炎で着火
- パイプを咥えて吸引しながらたばこ表面全体に着火する。2~3服するとたばこが膨張し、盛り上がってくるので、タンパーで軽く押さえて火種を落ち着かせる。
- 2.たばこ表面をならして火種を作る
- 炭化したたばこが表面全体を覆うように仕上がったら、タンパーで軽く押さえて準備完了!あらためてたばこ表面に満遍なく着火すると、火種が炭化したたばこの中に見えてくる。そこからパイプスモーキングの始まり。
ゆったりスモーキング
パイプスモーキングはボウル内への安定した酸素供給がポイント。
- 1.呼吸の間合いでリラックスしたスモーキング
- 自然な呼吸をするように、パイプをゆっくり優しく吸うと吹くを繰り返す。火の立ち消えを恐れての強い吸い込みは口内を刺激し、苦痛なだけでなく、たばこの片燃えを招き、ボウルの内壁を焦がす致命傷になりかねない。不快な喫煙につながるたばこの詰め具合を検討することも必要だが「火が消えたらまた着けたらいい」というおおらかな気持ちで臨みたい。火が消えた時は表面の灰を落とし、タンパーで平らにした後、再度着火すればいい。
- 2.タンパーを使い通気を調整
- 火の通りが悪かったり、加熱しすぎた場合、たばこ表面をタンパーで軽く押さえて通気の調節をする。その際、吸いながらこの作業をすることが火種の立ち消えを防ぐことになる。また、吸わない時でも息を吹き込むようにして火種の維持を心がける。
- 3.喫煙を不快にする水分の除去
- パイプ内に水分がたまったときはマウスピースを下に向けて軽く振るか、煙道をモールクリーナーなどで掃除するとよい。この水分を「ジュース」と呼ぶ。
- 4.たばこは最後まで吸い尽くす
- 詰めたたばこを最後まで吸い尽くすことで、ボールの壁面に均一なカーボン付着が可能になる。