パイプのメンテナンス
喫煙終了後にパイプのケアを欠かさないことは、次のスモーキングで、
たばこの喫味を損なわないだけでなく、パイプを長持ちさせるためにも大切。
また、パイプの各部分には専用の名称がつけられており、商品説明、喫煙方法やメンテナンス
などで多用されている。各部の名称を知っておくとパイプ修理などの指示も的確に伝えることができる。
パイプの各部名称
セルフ・メンテナンス
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- 1.喫煙後のクリーニング
- パイプが温かいうちに吸い口を外すと、シャンクやダボ部を破損する恐れがある。パイプが完全に冷めたことを確認した後、ボウル内壁を傷つけないように注意し、溜まった灰を除去する。また、マウスピースを慎重に回しながら外した後、モールクリーナーで十分に、きれいにタールや水分を取り除く。
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- 2.カーボンの厚みを一定に維持する
- パイプスモーキングを重ねる度にボウル内壁に付着したカーボンが厚みを増してくる。カーボンは喫煙中にたばこから出る油脂分と灰の混合物。適度なカーボン層はボウルを過熱から保護し、たばこから出る水分を吸収する。しかし、厚いまま喫煙し続けると膨張、収縮率の違いからボウルにひび割れを生じることがあるため、リーマーで成型する必要がある。カーボンの厚みは、1.5~2mm位が適当で、ボウル内壁に均等な厚みを残して、残りは除去する。
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- 3.パイプの保管
- パイプ表面についた汚れ等は、ポリッシングクロスやパイプクリーン液等できれいにふきとる。メンテナンス後のパイプは十分に乾燥させ、パイプポーチに入れて保管する。
ブライヤー BRIAR
ブライヤーは地中海沿岸に自生するシャクナゲの仲間のエリカという木の根こぶ。エリカの木は、夏に雨の降らない厳しい荒地に育つため成長には長い年月を要し、それ故、繊細なグレインができる。ブライヤー(コロ)は工場で大きく切断され、小石や砂を噛んでいるものや虫食い、ひび割れのあるものを選別し、パイプの各原型に従い切断されてエボーションが作られる。木取りされたエボーションは大きな釜で半日から丸1日煮沸する。これはブライヤーに含まれている樹液を取り除くための工程。こうしてあく抜きされたエボーションはさらに水気を切り、4カ月から2、3年以上も陰干しされた後、各等級に分類される。グレインの良好なブライヤーはラフ(表皮)をつけたまま木取りされるが、これはプラトゥと呼ばれ高級品。
リーマーの使い方
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- よい削り方
- ボウル内に均等なカーボンの厚みが保たれた状態。
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- 悪い削り方
- ボウル内を斜めに削り込んだ状態。
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- 悪い削り方
- カーボンの削り込みが偏っている場合。
パイプの修理
故障のための部品交換や修理につきましては、小売店にご相談ください。
なお、ダンヒル、ザ・ホワイトスポットにつきましては別途価格となります。
修理メニュー
項 目 | 内 容 | 価 格 | |||
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口新規 | 吸い口を新しくする | 吸い口のビット部分が噛み切られて穴があいたり、折れたり、また、吸い口をなくしたりする場合がある。この様な場合には、新しい吸い口を作らなければならない。 ピーターソンのアーミープッシュ型の吸い口でも、シャンク側のテーパーの違いがあり、調整が必要。ボウルも預からなければならない。 |
10,000円〜 | ||
ダボ接ぎ | ダボを新しくする | ダボがボウルの中に入ったままで折れている。 |
古いダボは抜き去り新しいダボを作って接着する。 |
ボウル穴にダボを合わせて切削し、吸い口に接着。 |
8,000円〜 |
穴詰まり | 詰まった煙道を開ける | 煙道を掃除した際、紙やコヨリやモールクリーナーに無理な力がかかり切断され、煙道内に残り、固まってしまうケースがある。無理してとがった棒などで突かないこと。 | 5,000円〜 | ||
銀巻 | シャンクのヒビ割れを直す | シャンクのダボ穴部分に無理な力が加わると、割れたりヒビが入ったりしてしまう。ヒビが入った部分を銀で巻いて直す。シャンクが完全に折れてしまったり、大きく割れが入った場合はこの修理はできない。また、金巻加工もできる。価格は事前見積り。 | 15,000円〜 | ||
レストア | 磨き直し | ボウルと吸い口の汚れや変色をきれいに取り去り、ワックスで磨き直す。 | 5,000円〜 | ||
完全レストア | 「磨き直し」の他に、火皿のカーボン層の調整、煙道のクリーンアップ、ダボの調整等。 | 12,000円〜 | |||
修理不可能な場合
項 目 | 内 容 | 対 処 | |
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ボウルの 焦げ |
ブライヤーが焦げて炭化した場合 | 火皿内部の焦げは、過度の燃焼によるもので、高熱のまま喫煙していた結果起こる。一度炭化したブライヤーは修理不可能。 | ゆっくり喫煙し、よくタンパーを使って過度の燃焼を抑えることを心がける。また、一回喫煙したパイプは休ませて、ボウルが冷えてから使う。 |
シャンクの 折れ |
ブライヤーのシャンクが折れた場合 | パイプを落としたり、無理な力がかかったりすると折れる場合がある。ほとんどの場合が修理不能となるケースが多い。 | パイプポーチ、パイプバッグに入れて持ち運ぶ。シャンクに金属が巻かれているパイプは、比較的折れにくい。 |
特殊なパイプの場合
チャーチワーデン | 長い吸い口の新規修理はできない。 |
アンティーク(骨董) | 事前見積り。販売店に要相談。修理不可能な場合もある。 |
他社製品の修理の場合
パーツなどの問題があり、別途見積り。修理できない場合もある。