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恭三郎の部屋

ROOM OF KYOZABURO

柘製作所代表取締役・柘恭三郎のブログ。

思い出「パイプストーンへの旅」

 

                   

2006年の7月に蒸し暑い日本を後にして、ミネソタ州のパイプストーン市に向かって飛び立った。州都ミネアポリスで飛行機を乗り変え、サウスダコタ州のスーホールス市に降り立った。この辺りからカナダにかけてスー族が居住していた土地である。早速、市内のたばこ屋に行き、今晩の食後のパイプたばこと葉巻を充分に仕込んで、レンターカーで隣のミネソタ州のサウスダコタ州境にあるパイプストーン市に向かった。車で約1時間ハイウエイ23を北上する。パイプストーン市に入る手前、突き当たりの正面に街のパイプの絵が入ったモニュメントがあり、パイプストーンの街に入った。我々が泊まるホテルは、創業1888年のザ・カルメット・インという赤い石で外観が覆われている古いホテルであった。カルメットは、ネイティブ・アメリカンのピースパイプのことをカルメットというのである。道を挟んだ前にミュージアムがある、これも赤い外観を持つ石でできている。周りを見渡すと赤い石で作られたビルが至る所にある。後で分かったことだが、ネイティブ・アメリカンのピースパイプの石であったのだ。19世紀後半、欧米では盛んにレンガが使われ、ビルの建築素材から、道路の敷石まであったが、ここではレンガの変わりに赤いパイプストーンが使われていたのだ。 パイプストーンの鉱石としての名称は、”CATLINITE”キャトリナイト。因みにヤフーの翻訳で検索すると「パイプ石」、とでてくる。早速、街の博物館、お土産屋さんを回ってみたが、スー族に関する情報と、のお土産がメインだった。夜は、毎年この時期だけ行われる街を上げてのネイティブ・アメリカンのショーを観てきた。アジア人が見に来るのが珍しいらしく、ショーが始まる前、観客に紹介された。夕日が真っ赤に染まる空の下で始まったインディアンの物語は、興味深かったがほとんど寝ていて覚えていない。パイプを喫煙する場面もあったらしいが覚えていない。

翌日はパイプストーン・ナショナル・モニュメントに行き、パイプ作りの実演と、採石場の見学に行った。広々とした公園内には、パイプストーンが露出した地層を歩き廻ってみたが、赤い岩盤なので周りの緑とハッキリと対比できる地層だった。モニュメントのビジターセンターでは、ピースパイプ作りの実演を自分でもできるし、パイプ作家が2名、見学者の質問に答えながら作っている。お土産屋さんが2軒あるが、2軒ともパイプストーンのパイプ作りように小さくなった原石と木製のステムを売っている。地元のパイプ作家は勿論、観光客が買って滞在中の作ることがあるそうで意外と需要があるので驚いた。何しろ街中いたるところに”PIPESTONE”の文字があり、世界で一番”PIPE”という単語が目に入るところではないか。